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#7 閉店してしまう飲食店の前兆やその原因とは…

昨今コロナウイルスの影響もあって閉店する飲食店が非常に増えています。そもそも飲食店の閉店率は非常に高いといわれていて、開店して2年以内には半数、3年以内には7割の店が閉店してしまうというデータもあります。飲食店が閉店してしまう大きな前兆として、客足の減少や、客層の変化、看板メニューの売上減などの理由のがあります。今回はその前兆やそれをひきおこす原因は何なのか、その他細かい事例をあげながらご紹介していきます。自分の大切お店を守るためにもぜひ参考にして、改善点を見つけてみてください。

そもそも入れ替わりが多い物件

なぜか一定期間たつとコロコロと店舗が入れ替わってしまう物件があります。こういった物件の特徴として好立地で賃料が高い傾向にあります。狭小物件だったりすると席数が限られるため、客単価が低い個人の飲食店など提供する商品を工夫しなければ利益をあげることが難しくなってくるでしょう。立地が良いという点だけ着眼して物件契約をしてしまうと、顧客はついているけれど利益は出ていないという状態になりかねません。お店の商品単価やメニュー構成などを考慮して物件を選ぶのが閉店を避ける第一条件と言えるでしょう。

コンセプトがしっかりしていない

飲食店の経営において重要なのがリピーターの獲得です。再度来店したいと思わせる店づくりのコツとしてそのお店の特色や個性を武器にしたブランディングをしっかりすることが挙げられます。つまりわかりやすく言えばお店のコンセプトを明確にしておくことです。提供する商品にばらつきがあって、どれも一般的な味であればチェーン店との競争には敗れてしまうでしょう。コンセプトをしっかり定めて、それに応じてターゲット層に向けた戦略を考えていかなければ数多くの競合他社の中で来店を選んでもらうのは難しくなります。またどれだけお店の商品やサービス、デザインなどコンセプトにこだわっていても、立地条件などでターゲット層の獲得が難しい場合もあります。例えば郊外の幹線道路沿いにアルコールメインで提供するコンセプトのお店を作っても、アクセスを考えれば客足が振るわないのは予想がつくでしょう。立地や提供メニューを考える際にいつでも立ち返るのがコンセプトですので、そこを強固に明確に定めておくことが大前提です。

看板の設置やリニューアル

看板を不自然にたくさん店先においていたり、店舗はそのままでも看板だけリニューアルをするお店があります。理由はおそらく集客に困っているからでしょう。「お店の存在に気付いてもらえていない」という考えがあるのかもしれませんが、来客が減ってきている本質的な原因をもう少し考えてみる必要があります。看板はお店の存在を示し、そのコンセプトやイメージを見る人に伝えるものです。対して季節のイベントなどをお知らせする可動式の看板がありますが、集客に困っている店舗ほど、路上に出す立て看板や登り、手作りのポスターなどどんどんと宣伝掲示が増えていきます。そうなると情報が渋滞し、本来の看板で伝えたかった内容やコンセプトがかすんでしまいます。最終的にはそもそも最初に定めた看板をさらに目立つものへとリニューアルして、一見ちぐはぐなビジュアルのお店が出来上がってしまうというケースも。繁盛店ほど売り込みの文句や数ではなく、商品の質やサービスのクオリティで勝負しているはずです。看板施工や設置はコストもかかることですので順番に気を付けましょう。因みに看板を路上などに置きたい場合は、自治体の屋外広告物条例の確認もお忘れなく。

客層の変化

コンセプトで定めたターゲット層の来客が減り、予想しなかった客層の来店が増え始めたら要注意。原因として例えば流行のメニューを取り入れたことによって若年層の来店が増えているのだとすれば、自然と客単価は下がっていく懸念があります。当初定めた利益率や単価設定が崩れてきてしまうのはゆくゆく経営を圧迫しかねません。どうしても客足を引きたいがために流行りの商品を取り入れたくなる気持ちはわかりますが、慎重に検討していきましょう。本来のターゲット層がどんなものを好むのか改めて作戦をたてなおすことも必要です。

看板メニューの売上が減った

コンセプトに沿って作られたお店であれが1つは看板メニューがあると思います。それがいつの日からか売り上げが下がってしまっていたら注意しましょう。今まで人気だったメニューが伸びない時は、だんだん顧客に飽きられてしまっているか、作り手の変更などで味に変化があったかなどに目を向けるのが良いです。またブームに乗って看板商品を設定した場合は、そのブームが一過性のものであったら自然と流行りの終わりと一緒に売り上げも下がってしまうでしょう。マンネリ化解消のために新メニューの開発や、再度クオリティを見直すことも必要かもしれません。客のニーズは変化するものなので、常に市場調査していきましょう。

小さなクレームやトラブルが増える

お客さんや近隣のお店からちょっとしたクレームが増えてくるようになります。どうしても集客がうまくいかずに近隣のお店との競争心が過激になってくると、少しエチケットから外れたPRや集客活動にでてしまうことが増えてしまいがちです。例えば過剰なビラ配りや看板が近隣のお店の邪魔になってしまったりなどのケースです。クレームが増えたり、外的要因に売り上げ不振の理由を考えてしまいそうになった時は冷静な経営上でのジャッジが難しい心理状態になってしまいます。不安に感じたりするのは当然のことだと思いますので、一度冷静に客観的にお店と自分の状態を見つめなおしてみてください。改善のヒントは意外と身近にあるものです。

家賃の支払い期日が遅れ始める

毎月の支払いの中で優先度が低く見られてしまいがちなのが家賃です。水道やガス、電気などは料金が未納の段階でストップしてしまうので、お店の運営には必須な支払いといえます。当然家賃も必須ですが、強制的に1日、2日と少しずつ遅れはじめ、最終的には月をまたいでしまうケースも。家賃の支払いが足りない場合、その日の売り上げから不足分を補填するようになってしまうとそれが悪循環のはじまりです。少々支払いが遅れているだけというぐらいの認識でいるのは危険で、今回のコロナなど社会的な客足の低下の際に支払いが追い付かなくなってしまいます。売り上げアップで支払いを補填しようと考えるのもいいのですが、視点を変えて商品の単価や利益率の見直し、無駄な経費の削減なども見直すのも良いでしょう。

WEBサイトやSNSなどの宣伝媒体が機能していない

1 – ホームページを作っていない

ホームページはただのお店の存在を知らせる看板ではありません。ブログの運用などでアクセス訪問数をふやしたり、訪問してきた人をコアなユーザーへと誘導していく重要なツールとなっています。ただサイトを業者に制作してもらうのはそれなりに多額の予算がかかりますので着手できず、その間に検索の段階で競合他社に負けてしまっているケースもありますね。それだけでなく検索して何も出てこなければ、お店の印象やクオリティにまでネガティブな印象を与えてしまいかねません。そこでまず手軽に始められるものとしてグーグーグルマイビジネスへの登録をおすすめします。1ヶ月程の審査期間がかかりますが無料で簡単に始められるツールです。検索した際にグーグルマップ上に店舗位置が表示され、店舗情報をWEB上に公開することができますので活用してみましょう。

2 – SNSを活用していない

新規顧客の獲得やリピーターへと顧客を育てていく上でSNSは必須ツールといえるでしょう。やはり繁盛店の多くが宣伝媒体としてSNSを活用しています。その日の日替わりメニューや店内の様子、お店のコンセプトやこだわりなどをこまめに投稿し、露出、刷り込みを繰り返していくことは非常に重要です。数多くあるお店の中から選んでもらえるように頻度を上げていくことが前提となりますが、なかなか売り上げ不振で苦心している最中には余裕がなく、時間と手間がかかるこういった作業が疎かになりがち。そうなれば折角フォロー、閲覧してくれている人が離れて行ってしまうことになるでしょう。様々なツールや方法があるので「どれからどう始めていいか…」となってしまうのもわかりますが、詳しい人に教えてもらったり、書籍などで集客活用方法を学んだりするのも経営を立て直す大事な仕事ですのですすんで取り組んでみましょう。

3 – グルメサイトを活用していない

ホームページ、SNSに併せて飲食店であれば活用した方がいいのがグルメサイトです。各サイトごと掲載プランがありますが、売り上げがいい店舗は少額でも有料プランで正確で閲覧者にとって便利な情報をアップしています。「とりあえず無料で始めたけれどほとんど手を付けていない」というお店もあるでしょう。プロのカメラマンに撮影してもらった写真やお得なクーポン情報、個室や飲み放題の有無、ネット予約フォームなど充実した情報が掲載されているお店との比較で負けてしまうのは想像すればわかりますね。古い情報や間違った情報のまま放置するとイメージダウンに繋がりかねないので、最低限の店舗情報と写真だけでも追加しましょう。そもそも掲載すらしていないのであれば選択肢にも入れないことになってしまうので、活用するのをおすすめします。

提供スピードやサービスのクオリティが低い

1 – オペレーション管理ができていない

人件費カットを目的に従業員を減らしたがために人手不足となってしまうお店がしばしばあります。配膳や接客ルールなどオペレーションの質が下がることは、顧客満足度も下がってしまう可能性があるということを念頭においてください。たった一度注文配膳が遅くなっただけでもリーピーターを逃してしまうことはよくあることです。当然少ない人数でも事前にお客様から時間がかかることの了解を得たり、ルールを決めて最大限のサービスを提供することができれば理解してくれるお客様もいます。飲食店ではまず顧客目線に立って、必要最低限の人手を理解すること、オペレーションのルールをしっかり定めておくことが大切です。

2 – メニューの表示間違い、売り切れ

一度注文が通ったのにもかかわらず後程になって「すみません先ほどの商品は売り切れでした」となってしまうことがしばしばあります。売り切れの商品がスタッフ間で正確に共有されていないのが原因で起こるケースです。また希少なお酒や、値上げした商品に対してメニュー表の金額を修正せずにオーダー時に口頭で金額を伝えられるというケースもあります。その都度メニュー表を修正する手間を怠った結果といえるでしょう。いずれのケースもスタッフ間の連携やサービスにたいして不誠実な姿勢であると判断されてしまうのは仕方なく、新規の集客にいくら力を入れていても、顧客満足度を下げてしまえばリピーターにはつながりません。「忙しかった」が理由で一番重要なサービスが徹底できないのは本末転倒ですね。顧客の目線になって誠実で気配りのある対応を心掛けるべきでしょう。

3 – ホールの設計やレイアウトの問題

お店のレイアウトは来店をしようとしているお客様に対しての心配りといえます。例えば客席が4人掛けのテーブル席しかなければ、1名や大人数でお越しのお客様に対しての対応が難しくなります。4人テーブルで1名の客がゆっくりくつろいでいる半面、店先では列ができてしまっているような光景をたまに目にしますが、当然無暗に回転を促すことなどできません。またそれぞれの席が周囲から見えにくくプライベート感がある場合には客は自然と長居する傾向にあります。そうなれば回転率は下がり、呼び込めたはずの顧客を逃してしまう。またお客様の方も「いつもはいれない店」という印象を持ってしまえば足を運ぶことは少なくなる。おまけに売り上げもなかなか伸びないとなればいいことはありませんよね。店舗のレイアウトはいかに回転させて効率良く売上につなげるかというのが重要で、それは利益を上げていくということだけではなく、お客様にとってもメリットがあるということを意識しておくようにしましょう。

割引のサービスが著しく増える

わかりやすい集客の戦略としてクーポン券や割引キャンペーンなどがあります。利用する方は割引があるのはうれしいかと思いますが、心理として「またキャンペーンの時期に行こう」という顧客に誘導してしまう可能性があることを懸念しなければなりません。割引をしなければ来てもらえない顧客ばかりになってしまうと自然とサービスを頻繁に出さなければならない状況に陥り、利益率を下げながら単価の低く割引目当ての顧客をまた作ってしまうという悪循環になってしまいます。サービスをするにも対象商品をコストと手間のかからないものに限定する。付属してアルコールとセットにすると少しお得になるなど、利益率が圧迫されない方法を念頭に置きましょう。なによりキャンペーンで集客を促す以前にまず原点であるターゲット層の顧客満足度を高めていく努力をしていくことを心掛けましょう。

店内に清潔感がない

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飲食店経営で最も重要といってもいいかもしれませんが、とにかく店内を清潔にしておくことが大切です。年季の入った店の古い家具や内装などでも、清潔に保ってさえいればそれは不衛生とは感じません。お客様が見ているのは「心配り」ですので、掃除の「手抜き」は簡単に気付かれてしまうものです。客席やフロアはもちろん、入り口はお店の顔ですし、トイレはお店の鏡という言葉があるほど重要な場所。蜘蛛の巣が張っているような入り口の路面店に進んで入ろうとは思いませんし、トイレの清潔感に関しては女性客などはとてもシビアなものです。その他各調味料などの補充や容器、トレーなどの汚れなどお客様はかなり細かいところまで見ていますので、スタッフへしっかりとした清掃の指導をしていないお店は、ホスピタリティの低いお店をしていくら料理がおいしくてもリピーターにつなげるのは難しいでしょう。店内の隅々をチェックして、汚れがたまりやすい場所を把握しておきましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。閉店してしまうお店の特徴としては、お店のコンセプトやルールを明確に定められていなかったり、焦りなどから安易に手近な手段をとってしまったりと、自分のお店の性質や改善点を見つめなおす過程をしっかり踏めていないところにあるようです。あまり健全ではない経営が続くとどうしても思考もネガティブになり、外的要因に責任を押し付けてしまったり、競合への妬みを感じてしまったりと悪循環のもとになってしまいます。あまり業績が振るわないと感じた段階で冷静に客観的に自身とお店の状態を見つめなおし、成功している人の意見を素直に聞き入れてみるのも重要でしょう。

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