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#48 DXが飲食店にもたらす効果は?今こそデジタルツールの活用を

新型コロナウィルスの流行により、消費者が飲食店に求めるニーズは大きく変わりました。世間は人との接触や混雑を避けて客足が遠のき、売上が減ってしまい経営が困難なお店が多いでしょう。しかしながらこの状況下においても新たなサービスを導入して営業しているお店もあります。このようにお店を継続させるためには時代の変化に順応して、同じ手法ではなく今一度経営を見直すこととなります。昨今のコロナ禍による需要の変化によってデジタル技術の導入は必要不可欠となっており、飲食店もDXを進めることが求められています。今回は飲食店が取り組めるDXを具体的なツールを紹介しながら、デジタル技術によって得られるメリットも伝えていきたいと思います。

現在の飲食店が抱える課題

昨今のコロナ禍の影響によって、飲食店の経営状況は難航を続けています。以前であれば飲食店には週末や連休、年末や歓送迎会シーズンなどの、いわゆる書き入れ時がありました。しかし、新型コロナウイルスの流行により大人数での会食や営業時間、アルコールの提供など、飲食店は多くの制限を受けることとなり、繁忙期の売上を立てることも難しい状況となりました。また、そのような状況下でスタッフを雇用し続けることも厳しく、飲食業界の人材不足の問題も深刻です。
この現状を打開するべく、従来の店舗の業務形態を見直し新たな経営戦略を立てることが飲食店に与えられている課題と言えます。消費者の需要も変化し、デリバリーやテイクアウトといったサービスを取り入れる店舗も増えています。また、これらのサービスの普及によって外出の機会が無くなるため、よりお店に直接来てもらえるような工夫も必要でしょう。このような大きな変化があった飲食業界で生き残っていくためにも、時代に合わせた業態の変化が求められています。今回は業態変更のひとつとして、業務の最適化を目的としたDXに着目していきたいと思います。

飲食店が取り組めるDXとは?

まずDXとはDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略で、直訳すると「デジタル変革」となり、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念を提唱したものです。つまりはデジタル技術を活用して業務の改善や新たなビジネスモデルを創出し、企業の変革を遂げさせることを意味します。気を付けたいのは、DXとはこれまでの業務をただデジタル化するのではなく、デジタル技術を用いたビジネスモデルの変革により、競争社会の中で企業の優位性を確立させることを目的とするということです。
飲食店においては、会計や予約システム、顧客の管理などをデジタル化し業務の最適化をすることで、お客様の満足度を高め利益を増やすことが目的といえるでしょう。コロナ禍で浸透することとなった非接触型のシステムや、デリバリーやテイクアウトにおけるネット注文も飲食店が取り組んでいるDXです。

DXによるメリット

業務の効率化とコスト削減

デジタル技術を取り入れることにより、人の手がかかっていた業務を効率化しコストを削減することが可能になります。デジタルツールによる作業の自動化・効率化で、業務の負担や時間を大幅にカットすることができ、人材不足の問題も解決できるでしょう。また、これまで作業にかかっていた時間は料理の質の向上や店舗のPRなど、よりお店を良くするための時間として有効活用することができます。DXに取り組むことで、余計にかかってしまっていた人件費などのコスト削減に加え、売上を上げるための戦略を練る時間を確保することもできるのです。

非接触・非対面サービス

コロナ禍の影響で、飲食店は混雑や接触を避けなければいけなくなりました。このような状況下で、タッチパネルによるオーダーシステムや配膳ロボットの導入が行われ、スタッフとお客様との接触が極力減らせるような取り組みがされています。さらにネットオーダーシステムによって、順番を待つ人々による店内の混雑を防げるようにもなりました。デジタルツールに置き換えることで非接触・非対面でのサービスが可能になるため、感染症の予防に徹しなければいけない昨今の飲食店にとっては大きなメリットと言えます。

あらゆるデータの活用

デジタル技術によってお店に関するあらゆるデータを数値化し、それらを蓄積して活用することができます。注文履歴、滞在時間、来店回数、利用金額など顧客に関する情報を収集でき、これらのデータを分析することでより顧客満足の高いサービスを目指すことができます。平均的な数値を得ることも、お客様それぞれにあったサービスの提供も可能になります。これまで感覚的に感じ取っていたことが、客観的な情報として得ることができ、経営戦略を練るための参考材料となり得るでしょう。

コミュニケーションが活性化される

DXによって、飲食店におけるコミュニケーションを活性化させることもできます。まず、お店とお客様との関係がひとつです。SNSやwebサイトを通して情報を発信したり、コメントでコンタクトがとれたりと、これまでは店舗でしかとれなかったコミュニケーションの幅が広がります。お客様の反応を知ることができ、お店との親密度も高めることができます。
また、スタッフ同士のコミュニケーションにもデジタルツールを役立たせることができます。スタッフ間での業務連絡にコミュニケーションツールを使用することで、情報伝達を円滑に行えます。伝達ミスなどを防ぐことができる上にスタッフ間での交流も促進され、働きやすいお店作りになるといえるでしょう。

集客効果

飲食店がDXを進めることは、集客アップにも繋がります。これまで述べてきたように、デジタル技術で得たデータを元に顧客のニーズに合った経営戦略を練ることができます。また、非接触型のサービスやネットオーダーなどを求める声が高まっている状況下において、それらのサービスを取り入れることで他店との差別化を図ることができます。DXは業務の効率化をもたらすとともに、そこで得られた利便性が顧客満足度を高め、集客力を向上させることとなります。

飲食店のDX取り組み事例

予約管理システム

電話をかけずに、時間にとらわれずオンラインで予約を受け付けることができます。受け付けた予約情報もクラウド上で管理することができ、お店側も予約状況を把握するのに適しています。予約の電話がかかってきた際に業務が滞ってしまうこともなく、お店とお客様の両方にとって利便性の高いツールと言えます。

ネットオーダー・テーブルオーダー

ネットオーダーは、パソコンやスマートフォンから注文、決済を完了させることができるシステムです。テイクアウトサービスを行っている店舗で多く見られ、注文で並ぶ必要が無く、支払いもキャッシュレスでスムーズに行えることがメリットと言えます。また、テーブルオーダーは飲食店の席からスタッフを呼ばずに注文ができるセルフオーダーシステムです。例えば最近ファミレスなどで目にするタッチパネルでの注文もそのひとつです。ネットオーダー、テーブルオーダーともに非接触で注文することができ、昨今の需要に合っていると言えます。さらに、店舗側にとっても注文を受ける際のミスが起こりにくいことも利点となっています。

顧客管理システム

顧客に関する情報を管理できるシステムです。来店や注文の履歴、連絡先、誕生日や好き嫌いの有無など、お客様に関するあらゆるデータを蓄積することができます。バースデーカードを送ったりなど、個人を尊重したサービスを提供することが可能になります。また、収集され数値化されたデータは、顧客満足度を向上し利益をアップさせる必要なツールとなるでしょう。

キャッシュレス決済

クレジットカードや電子マネー、スマホ決済など今では様々なキャッシュレス決済が使用されています。導入している飲食店も多く、会計がスピーディーに済み、店舗側にとっても業務の効率化になります。現在では非接触型で衛生的な観点でも利用しているという意見もあり、キャッシュレス決済への対応を求める声は多いと思われます。

集客ツール

集客ツールを利用することで、クーポン配信などのお客様の興味を引くようサービスの提供ができます。また、「食べログ」などで知られる口コミサイトに店舗の情報を登録することで、お客様側から自店を探して訪れてくれるようになります。これまではチラシで行っていたお店の宣伝も、デジタルツールの活用でコストを抑え、より多くの集客効果が見込めます。

SNSの活用

SNSのメリットは、リアルタイムでの投稿が可能ということと、その拡散性の高さにもあります。現在では営業日、時間等の情報をSNSで行っている飲食店も多いです。お店の投稿に関心を持ったユーザーの反応や、お店を訪れたお客様自身が投稿したりと、情報はフォロワーに拡散されていきます。SNSはお店の知名度を上げるためにも有効的なツールといえます。

おすすめITツール

飲食店におすすめのITツールを、具体的な例を挙げながら紹介していきます。

予約管理システム

日時問わずネットで予約を受け付けられるシステムが普及しています。予約状況をまとめて管理ができるため、店舗の業務の効率化にも適しています。

レストランボード

基本料金0円から利用できる予約台帳アプリです。予約台帳以外にも、顧客台帳、席の稼働状況を把握できるテーブル管理の機能があります。POSレジの「Airレジ」と連携し、Airレジの会計データをレストランボードの顧客台帳に蓄積することができます。また、「ホットペッパー」と連携することでネット予約が自動的に反映されるため、予約の管理もしやすくなっています。

リザーブキーパー

飲食店向けの予約・顧客管理システムです。ほかの機能として、テイクアウトや宅配の予約を受け付けたり、ネット予約管理、顧客情報を活用したメール配信などがあります。また、着信とともに顧客情報が表示でき、予約履歴を確認しながら電話対応ができる機能も備えています。ネット予約も電話予約も一元管理をすることができ、機能性に優れています。

POSレジ

POSレジとは、会計の時点で売上の情報を記録・集計し、データを分析や管理できるシステムを備えたレジです。ただ会計の計算を行う従来のレジとは異なり、リアルタイムで売上状況の詳細を把握することができます。売上の分析機能のほか顧客管理や在庫管理の機能もあるため、会計以外の業務も効率化されます。

Airレジ

初期費用やランニングコストがかからず、シンプルで使いやすいと評判を得ている、リクルートが提供するPOSレジです。会計機能以外には、売上管理、分析集計機能があります。「Airペイ」と連携することでキャッシュレス決済に対応することができます。初心者にも扱いやすく、iPadやiPhoneとインターネット環境があれば始められます。

ユビレジ

売上管理や分析、顧客管理、キャッシュレス決済のほか、仕入れ、予約、シフト管理など多機能なPOSレジです。「ユビレジハンディ」を使用したオーダーシステムや、在庫管理システムなど飲食店にうれしい機能もあります。汎用性に優れていながらも低価格という点が、飲食店からの支持を集めています。

セルフオーダーシステム

セルフオーダーシステムとは、お客様自身で端末を使って注文をするシステムです。画面上でメニューを確認することができ、非接触で注文ができるメリットがあります。モバイルオーダーはお客様のスマホを使って店内、店外において注文をするシステムですが、セルフオーダーシステムは店舗側で用意した端末を使っての注文となります。

ITOSセルフオーダーシステム

iPadなどの端末を使って、お客様自身で注文できるシステムです。注文以外にも配膳状況から会計までもスタッフを呼ばずに確認できるため、お客様の満足度や業務効率のアップになります。注文用の端末はメニューブックでもありますが、フリーレイアウトとなっているため店舗のイメージに沿って作成することができます。また、多言語にも対応しているため、海外のお客様へのサービスも心配ありません。

まとめ

今回は飲食店のDXについて、現在抱えている課題から考察し、実際に取り組めるツールについても紹介してきました。DXが進んでいる背景にはやはり新型コロナウィルスの影響が大きいといえるでしょう。飲食店は店内の混雑や接客による接触を避けなければいけなくなりました。そこからネットオーダーや非接触型のオーダーシステムなどが普及した訳ですが、これらは飲食店にとって大きな利益をもたらすともいえるのです。デジタル技術を活用することは業務効率を格段に上げ、これまで人の手がかかっていた作業を自動化することでコストの削減にもなります。集客ツールを利用することで注目も集まりやすく、お店の知名度も大幅に上げることができるでしょう。コロナ禍は飲食店にとって大きな試練といえますが、ビジネスモデルの改革のきっかけとなりました。DXを進めることは厳しい状況下を耐え忍ぶだけでなく他店との差別化となり、飲食業界で自店の優位性を確立することとなるのです。

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