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#2 【失敗しない!】飲食店開業までのスケジュール

初めて飲食店を開業しようとする時にはとにかくわからないことだらけ…。 お店のコンセプトを決めるのにはじまりたくさん準備することがあります。この記事ではそんな飲食店開業デビューを考えている人に向けて、開業までに必要な各項目を、スケジュール一覧にしてまとめてみました。オープン直前に抜けがあって慌てることがないようにぜひ参考にしてみてください。

①コンセプトの設定・情報リサーチ(1年前)

飲食店を開業する際にはまずしっかりと明確なコンセプトを決めておく必要があります。開業費用の総額や、必要な物件の条件、売り上げに対しての利益などすべてがあいまいになってしまいます。まずはお店の核となるコンセプトをしっかりと作り、計画的に開業を進めていきましょう。

コンセプトの設定方法(“5W2H”)

コンセプトは「どんな商品を、誰をターゲットに、どこで提供するのか?」を明確にすることです。そこで便利な方法として「5W2H」を具体的に設定していくと良いでしょう。「5W2H」とは「なぜ・誰に・何を・どこで・いつ・どうやって・どれだけ」のことで、これらの設定がこれから決めていく様々な事項の基盤となっていきますので、時間がかかってでも丁寧に考えて設定していきましょう。

Why?なぜ?・創業の目的
・何を成し遂げたいか
・夢や想い
Who?誰に?・ターゲットにする顧客層
What?何を?・扱う商品
・メニュー
Where?どこで?・立地
・店舗の場所
When?いつ?・オープン時期
・営業時間
How to?どうやって?・接客スタイル
・サービス内容
・自営業かFCか
How much?どれだけ?・運営規模
・売上目標

情報リサーチの方法

開業、経営は日々の店舗営業とは全く別物です。開業に必要な「物件探し」、「資金調達」「集客方法」など事前に情報をリサーチして学んでおくことが必須です。効率の悪い手順を取ってしまったばかりに時間やコストを無駄遣いしてしまわないためにも過信せずに学んでおきましょう。 まずはインターネットや書籍、セミナーなど視野を広く持って柔軟に情報を集めておく。そうしていると次第に様々な情報の中でもいくつか共通してくる部分が見えてくるので、「簡単」「誰でも」「楽して」などの言葉に安易に反応せずに、たくさんの情報を比較しながら冷静に参考にしていきましょう。

②事業計画書の作成(10ヶ月~6ヶ月前)

事業計画書の書き方

コンセプトを設定したら、事業計画書を作っていきます。具体的な数字を設定したコンセプトに落とし込んでいく作業で、イメージしている商売を、具体的にアウトプットすることで初めて分かることも多く、一度落とし込んでみて以降も良いものができるまで何度も修正しながら作成していきましょう。ここでの設定を誤ってしまうと「目標の売り上げに到達しているのに利益が出ない」といったような事例もあります。そういった場合でも都度軌道修正をしていけば問題ありませんので、“修正が入る前提”で作っていくものと捉えましょう。以下事業計画書作成にあたって必要となる項目の一覧をご紹介します。

  • 開業の動機
  • 飲食店を始める目的・動機について
  • 経営者の略歴
  • 自身の職歴から開業するに当たっての退職予定まで
  • 取扱商品・サービス内容・セールスポイント
  • 提供する料理や飲み物の内容と特徴、価格
  • 取引先
  • 販売先 販売先は通常、一般個人となります
  • 仕入先
  • 仕入れ業者名
  • お借入の状況
  • 開業融資以外の、住宅、車、クレジットカードの借入などを記載
  • 必要な資金
  • 設備資金・運転資金
  • 資金の調達方法
  • 開業資金―自己資金、他銀行からの融資、日本政策金融公庫からの融資金額
    ※必要な資金=調達の方法の額
  • 開業後の見通し

売上高・仕入高・経費を算出し、収支計画を試算します
事業計画書のテンプレート日本政策金融公庫ホームページよりダウンロードできます。https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html

③物件探し・契約(6ヶ月~3ヶ月前)

出店するエリアが決まったら実際開業する物件を探していきます。人気のエリアであれば出店を検討しているライバルも多いでしょう。立地と物件はとても重要なポイントになりますので、できるだけ早い段階から探していきましょう。新規物件以外にも初期費用や工事期間を抑えられる「居抜き物件」を利用するという方法もあります。いくつかの不動産屋に相談をして良い物件が出たら、一般に出す前に教えてもらうくらいの関係を気付いておくことも戦略です。不動産屋に相談しながらも以下サイトなどWEB上から情報を得ていくことも大切です。
【9万人が利用する居抜き物件サイト「店舗そのままオークション」】 https://sonomama.net/

④資金調達(6ヶ月~2ヶ月前)

国民生活金融公庫創業研究所が2002年に発表した『新規開業白書』によると、飲食店開業時の費用は平均1669万円。個人経営の小さな店舗でも、500万円~1200万円程度の費用がかかると言われています。状況に応じて前後はあるものの、おおよその費用を把握したうえで資金調達の計画を立てていくのがいいでしょう。ここで一度開業にかかる費用のそれぞれの項目と目安の金額をご紹介します。

飲食店開業時の主な物件取得費用

飲食店開業時の主な物件取得費用
項目費用の目安
保証金・敷金一般的には賃料の10ヵ月分が相場
礼金一般的に賃料の1ヶ月分から多くて3ヶ月分が相場
前家賃契約した月の次の家賃を予め支払う
仲介手数料一般的に賃料の0.5カ月~1カ月分+消費税
造作譲渡費(居抜きの場合)状況に応じて変動
飲食店開業時の主な店舗投資費用
項目費用の目安
店舗の外装費用10万円~50万円
看板設置費用10万円~20万円
店舗の内装費用1坪あたり30万円~60万円
厨房設備費用100万円から200万円
水道工事(居抜きで前の設備が使えない場合)60万円~80万円
電気工事(居抜きで前の設備が使えない場合)30万円~60万円
ガス工事(居抜きで前の設備が使えない場合)20万円~40万円
空調工事(居抜きで前の設備が使えない場合)60万円~100万円
家具・調度品購入品によって変動
レジ1台あたり5万円~10万円
従業員募集費10万円~20万円
販売促進費10万円~20万円

開業資金の目安業態別の開業資金の目安

業態別の開業資金の目安を紹介します。業種や物件の状況に応じてかなり金額は前後しますが参考にしてみましょう。

  • レストラン2,000万円以上
  • カフェ1,000万円以上
  • ラーメン屋800万円以上
  • 居酒屋2,000万円以上

創業融資に心強いのが「日本政策金融公庫」開業時に自己資金だけでは開業尾費用が賄えない際には「日本政策金融公庫」の新創業融資を検討するのがいいでしょう。下記URLの日本政策金融公庫サイトを参考にしてみてください。 https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html

クラウドファンディング

資金調達の選択肢として融資の他にクラウドファンディングでの資金集めとう方法もあります。一言でクラウドファンディングといっても現在様々なサイトがある上に、同じように開業等の理由でクラウドファンディングを始めている人も多くいます。クラウドファンディングで成功するポイントにつきましてはまた別の記事でご紹介させていただきますのでそちらを参考にしてみてください。

⑤内装工事(3ヶ月~2ヶ月前)

飲食店経営において内装は売上を左右する非常に重要なポイントになって きます。施工業者を選ぶにあたっては知り合いから紹介してもらうかインターネットで探すなどすることが多いでしょう。内装業者とのやり取りは初めてという人が多いと思いますで、しっかりと過去の実績などを見ながら自分の希望を形にしてくれるか慎重に検討しましょう。一度施工してしまえば取り返しがつかないし、一度に多額の費用が掛かってしまうので、一社ではなく数社から項目ごと詳細が明記されている見積もりを取るようにするのが大切です。以下のポイントをしっかりクリアしながら業者を選んでいきましょう。

飲食店設計の実績があるかどうか

住宅がメインの工務店などでは飲食店の施工経験がない場合もあります。価格・質の両面で飲食店設計の専門会社に劣ることが少なくないので 施工実績を見せてもらいながら納得する業者に見積もりを依頼しましょう。

コンセプトの共有

まず自分のお店のコンセプトを明確にしておくことが大前提。ただどれだけ業者にそれを共有しようとしても抽象的なイメージでは正確に伝わりません。もし目指している自分のイメージに近い店舗などがあれば、実際にそのお店のビジュアルを見せるなど、できるだけ具体的なイメージの共有に努めましょう

要望・相談にのってくれる会社を選ぶ

消防などへの手続きやコスト、納期の相談など親身になってくれる 業者かどうかも確認しておく必要があります。知人やインターネットなどで口コミなどもチェックしておくのもいいかもしれません。見積の段階から施工のスケジュールやこちらが準備しておくもの、懸念事項などを合わせて提案してくれるような業者が理想と言えるでしょう。

⑥設備・食器・備品の準備(3ヶ月~1ヶ月前)

厨房機器類は内装工事に次いで多くのコストがかかってきます。コストダ ウンを考え中古やリース・レンタルを利用することも検討しましょう。また居抜き物件の場合、まだ比較的新しい機器類がそのまま使える可能もあります。食器や什器に関してはさほど重要視せずコストカットを優先してしまうお店も中にはありますが、顧客満足度にかかわる非常に重要な要素と言えるので、提供するメニュー構成をしっかり想定しながらコストの掛けどころを考えていきましょう。リストをしっかり作って少し多めに揃え 漏れがないようにしていくことも大切です。わたしたちオリマックスは厨房機器や食器、什器の販売から、厨房のレイアウト提案までお客様に寄り添った提案をさせていただいています。お悩みの際はぜひ一度ご相談ください。

⑦メニュー構成決定・仕入れ先選定・メニューブックや印刷物等販促物の制作(2ヶ月~1ヶ月前)

メニュー構成決定・仕入れ先選定

メニューを作成で大切なのはコンセプトに沿っているか、競合他社との差別化、価格設定でしょう。日々他店で提供しているメニューやその価格設定などアンテナを張って市場の調査をしておくことも大切です。価格設定において仕入れ業者の選定も重要となってきます。知り合いや紹介などで優良な業者を知っていれば相談してみるのもいいでしょうし、自力でいくつかの業者に相談して条件に合う業者を選んでいくのもいいでしょう。一般的に原価率30%で提供できる価格設定が目安となっています。しかしすべてのメニューにこれを当てはめる必要はありません。原価率を下げても演出や工夫で顧客満足が獲得できるメニューであれば利益率を多くしてもいいでしょうし、利益率を低く設定しても提供の効率をよくして注文数を稼いでいくなどの戦略も考えてメニューを構成していく必要があります。

メニューブックや印刷物等販促物の制作

メニュー構成が固まったらメニューブックや販促物の制作についても準備していきましょう。お店のコンセプトや外装、内装なども加味してそれぞれの制作物のビジュアルデザインイメージを統一していくことが大切です。またコスト面や手間を考えるとそれぞれ別の業者に制作依頼をするより、一つの業者にまとめて以来するのがいいでしょう。デザインイメージの共有や、ロゴや画像データ、店舗情報、メニューの内容などその都度別々の業者に手配するのは手間がかかります。また一括で請け負ってくれることでそれそれの制作物の価格交渉に乗ってくれる場合もあるでしょう。

⑧開業手続き・許認可届け出(2ヶ月~2週間前)

飲食店の開業には、保健所や消防、警察などへの許認可が必要です。手続きを怠ると営業停止などの処分となってしまう可能性もあるので、以下を参考にチェックリストなど制作しながら漏れのないように届け出を済ませましょう。

届け出一覧(個人事業主用想定)

  • 税務署への届け出
  • 個人事業の開廃業等届出書
  • 所得税の青色申告承認申請書
  • 給与支払事務所等の開設届出書
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
  • 青色事業専従者給与に関する届出書
  • 都道府県税事務所および市区町村役場への届け出
  • 個人事業税の事業開始等申告書
  • 保健所への届け出
  • 飲食店営業許可
  • 消防署への届け出
  • 防火対象物使用開始届
  • 火を使用する設備等の設置届け
  • 防火管理者選任届
  • 警察署への届け出
  • 深夜酒類提供飲食店営業開始届書
  • 風俗営業許可申請
CHECK!

詳しくは同サイト「飲食店開業に必要な届け出一覧!」の記事で詳しく説明しているので参考にしてください。

⑨人材集め・育成(2ヶ月~営業開始前)

店舗の準備が整ってきたところで人材集めも平行して取り組んでいきましょう。個人店の場合は特に人件費カットを考えて自分ひとりでお店を回そうとしたり、親族や友人にしっかりとした契約を交わさずにお願いをしてしまうケースもあります。ですが料理やドリンクの提供スピードや接客の質は顧客満足やサービスの効率に大きくかかわりますので楽観視してはいけませんし、労働賃金などのトラブルを避けるなどの意味でも最低限スタッフの確保と事前の育成をしておくことが大切でしょう。人材集めではウェブ上の求人サイトへの掲載、求人誌(フリーペーパーなど)への掲載、職業安定所への求人届け出、店舗での張り出し、知人などからの紹介などの方法が主流です。近年ではSNS等を使いながら費用をかけずに募集を告知するケースも増えてきていますので、コストを考えながら求めているターゲットに適した媒体を使って募集をしていきましょう。

⑩レセプション・プレオープン(1週間前)

いよいよ必要な準備が整いオープンも迫ってきたところで一度レセプションとプレオープンを行いましょう。いわば試運転、実際に走ってみて感覚を確かめ不足している部分や改善点、客観的な感想をオープン前に見直せるいい機会となります。

レセプションとは

レセプションはここまで携わってくれた業者などへのお披露目・お礼の場です。無料で行うお店がほとんどです。おもてなしをしながらも、知り合いからの客観的な意見・感想やなどをしっかり聞くようにして、オープン後のお店のクオリティアップにつなげましょう。

プレオープン

プレオープンとはランドオープン前の試運転です。これまでの準備したものがしっかり機能しているか、改善する余地はあるはの最終チェックです。 プレオープンで重要なのは、満席のピーク状態を経験しておくこと。実際にオープンしてから慌ててしまわないようにここでしっかりと感覚をつかみ準備をしておくようにしましょうレセプション、プレオープンだからと言ってあまりにもクオリティの低いサービスをしてしまうと、オープン前から評判や口コミを悪くしてしまう可能性もあります。あくまでも本番のつもりでしっかりとしたサービスを心がけましょう。

⑪お店のオープン後について

大変だった準備を終えてようやくお店をオープンをしてもまだ安心していてはいけません。いざ営業を始めてみたらオープン前の想定と大きく誤算があったりと修正事項がいろいろと出てくるもの。常に成功している他店のいいところを盗んでみたり、新しいアイディアを模索したり、客観的な意見を柔軟に取り入れたりと向上心を切らさずにサービスの質を上げる意識を持っていくことが成功への最低条件と言えるでしょう。またオープンしてからも必要な宣伝広告やSNS、HPの設置なども引き続き検討しながら売上の向上を狙っていくことも大切です。

まとめ

統計では開業して1年未満で約35%、2年以内で約15%、約半数の飲食店が2年以内に廃業しているデータがでています。抜け漏れのないように準備することや綿密な事業計画書を作っていくことが成功への一歩です。とはいえ初めてとりくむことがほとんどで、専門的な知識も必要になってくるので用途に沿った専門家に相談しましょう。

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