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#25 ゴーストレストランを開業する方法

飲食店を開業する方法のなかにゴーストレストランのという選択肢があります。実店舗を持たずに、自宅でも開業できるデリバリー専用のゴーストレストランとはなにか、またその方法やメリット・デメリットを紹介していきます。

ゴーストレストランとは

ゴーストレストランとはアプリなどで注文を受けて、お客様に商品を届ける実店舗を持たないデリバリー専門のレストランのことです。そのため、調理に携わるスタッフと調理スペースだけという最低限の準備で、費用や時間を抑えてスタートできます。昨今のコロナ禍によるデリバリー需要の高まりと、Uber Eatsなどのデリバリー代行サービスの普及で注目を受け、現在その数をどんどん増やしています。

ゴーストレストラン開業の方法

食品衛生責任者資格を取得する

ゴーストレストランであっても食品を扱う以上、通常の飲食店と同様に必ず取得しなければならない資格です。各都道府県の食品衛生協会の主催で行われる食品衛生責任者養成講習会で一日程度、公衆衛生学と衛生法規、食品衛生学の講習を受け、修了試験に合格することで取得できます。試験は講義を聞いていれば問題なく回答できる難易度となっています。「食品衛生責任者養成講習会」の申し込み方法などは別の記事にまとめてありますのでぜひ参考にしてみてください。

飲食店営業許可を取得する

こちらも通常の飲食店同様必要になります。調理場となる店舗に上記の食品衛生責任者資格を持つ者を1名以上選任し、保健所に飲食店営業許可を申請してください。申請書類を提出すると施設の設備などが要件を満たしているか検査があります。問題がなく、基準を満たしていれば飲食店営業許可が下ります。

宅配代行サービスに登録する

調理場が確保出来たらUber Eatsなどの宅配代行サービスに登録し、お客様に商品を届ける方法を確保しましょう。宅配代行サービスは登録すればすぐに使用できます。しかし登録時や配達時に手数料がかかるので沢山の宅配代行サービスのシステムや利用料金を比較し、自社に最適なものを選択しましょう。

ゴーストレストランを選ぶメリット

飲食店の経営において、料理の経験や資金繰り、スタッフの育成など様々なスキルや能力が必要になってきます。ここでは細かいシーンを想定しながらそう言った具体的なスキルや能力をまとめてご紹介していきます。

初期費用を抑えられる

ゴーストレストラン開業の最も大きなメリットが開業時のこの初期費用が少なくてすむという点です。実店舗を構える場合、家賃や敷金、礼金、内装工事費、スタッフの人件費や備品代など数百~数千万円のまとまった資金が必要となります。一方でゴーストレストランであればシェアキッチンや店休日の飲食店の厨房を借りる、自宅のキッチンを利用するといった方法で調理場さえ確保してしまえば開業できるので上記の費用をかなり抑える事が出来ます。いきなり店舗を構えることには気が引ける、初期費用を回収できずに廃業するリスクを避けたいという方でも参入しやすい業態だといえるでしょう。

業態やメニューを変えやすい

実店舗を構えてしまうと業態や提供できるメニューが限定されてしまいます。例えば和食のお店を立ち上げた場合、中華やフレンチといった料理を出したくてもお店の雰囲気や客層に合わないといった状況になるかもしれません。ゴーストレストランは店舗が無いのでそのような縛りを受けにくい飲食店です。流行のトレンドに合わせた料理を他の飲食店より素早く提供できるといった身軽さもゴーストレストランの持つメリットの一つだと言えるでしょう。

売上げを左右されにくい

実店舗を構えた場合、席数といった制限が生まれます。満席になってしまえばそれ以上の注文は受けらず、席数や回転数をどうやって上げていくかという課題に対処していかなければなりません。また、天候によっても売り上げが左右されます。悪天候による人通りの減少はそのまま売り上げの減少にもつながります。しかし商品を直接お客様に届けるゴーストレストランであればそのような要素は売り上げに影響しません。スタッフの仕事は調理だけなので厨房の業務効率さえ考えれば注文数に合わせて売り上げが伸びていきます。

正確なデータがわかる

ゴーストレストランでは、宅配代行サービスのプラットフォームを活用することで、お客様の本当にリピート率が高いメニューはなにか、どんな年代の方に支持されているのかなど、従来感覚を基に計算するしかなかったデータを正確、詳細にかつ簡単に得る事が出来ます。蓄積されたデータに基づき、より確実に売れるメニューを看板として打ち出すといった経営戦略をとる事が出来るでしょう。

ゴーストレストランを経営する上での注意点

上記のように沢山のメリットがあるゴーストレストランですが店舗がないため、お客様とコミュニケーションをとる手段が少なくなってしまったり、実店舗ではかからない費用の発生といったデメリットもあるのも事実です。以下ではそんなデメリットに対する注意点を解説していきます。

ゴーストレストランにあった立地を選ぶ必要がある

一般的な飲食店と違い、店舗を持たないゴーストレストランは人通りの多い一等地を選んで調理場を用意する必要は無く、配達員が取りに来られる場所であれば賃料を抑えられる地下でも裏路地でも構いません。しかし不便な場所というものはそもそも注文してくれるお客様の数が少なかったり、配達員が集荷を敬遠したりといったリスクも同時にはらんでいます。近辺の他の飲食店のテナント数や、お客様となり得る人の数をしっかり把握し、運営するお店の配達戦略をしっかり立て、それに最適な立地を選ぶ必要があるでしょう。

お客様とのコミュニケーション手段の確保

直接お客様が出向く実店舗と違い、ゴーストレストランはお客様とのコミュニケーションをとる手段が少なくなってしまいます。その結果、商品開発や改善にお客様の生の声を反映することが難しくなりがちです。ホームページやSNSといったツールを使って積極的に、お客様と直接コミュニケーションを取れるよう注意しましょう。またお店の存在や商品の魅力をアピールする目的でもホームページやSNSを活用する努力は必要不可欠です。

実店舗ではかからない費用の発生

ゴーストレストランは初期費用を抑えられるというメリットがありますが、逆にゴーストレストラン特有の費用も発生します。例えば、宅配代行サービスの利用時の配送手数料や料理を配達する包装容器や箸の費用といったものです。これを失念して仕入れ値や人件費だけで価格を設定してしまうと思いもよらない費用で苦しむことになります。必ず、ゴーストレストラン特有の費用も加味してから販売価格を決めるようにしましょう。

ゴーストレストランを自宅で開業!?

これからゴーストレストランの開業を考えるのであれば自宅のキッチンを利用して開業することも可能です。自宅を調理場とすることで更に開業や運営に関する諸経費を抑える事が出来るでしょう。注意点は飲食店営業許可が得られるだけの設備が必要であるということです。飲食店営業許可を得るためには「食べ物を扱うのに適切かつ、清潔な空間であるか」という保健所の検査に合格する必要があります。設備が不十分で飲食店営業許可がおりない場合はキッチンの大規模なリフォームを行うといった方法がありますが、リフォーム費用や改装費用の負担と、自宅で開業することのメリットを十分に比較し、検討した上で決断することをおすすめします。

おすすめサービスの紹介

Uber Eats

Uber Eats(ウーバーイーツ)はアメリカのUber社が行っている宅配代行サービスです。利用したこともあるという方も多いのではないでしょうか。特徴は大きな知名度とシェアでしょう。登録するとUber Eats オーダーズというアプリを搭載したタブレットが貸し出され、売り上げや利用者に関する細かいデータも把握する事が出来ます。

出前館

出前館は100,000店舗以上の利用者がいる日本最大級の出前注文サイトです。特徴は配達員を自社で雇用し、運転や接客などの研修をしっかりと行っている点でしょう。配達を外部委託しているサービスと比べ安心安全に配達を任せる事が出来ます。2022年2月現在出店にかかる初期費用20,000円が無料になっているところも嬉しいポイントのひとつです。

Wolt

フィンランド発祥のデリバリーサービスWoltは 欧州を中心に世界23ヶ国180都市以上で展開しているサービスです。 日本では2020年3月からサービスをスタートしています。特徴は公式サイトにも掲載のある通り、業界最安級の手数料でしょう。完全成果報酬制を採用しており注文があった場合のみ掲載費用が発生する仕組みとなっています。また3ヶ月のトライアル期間もあります。

Kitchen BASE

最後はシェアキッチンをご紹介します。Kitchen BASE(キッチンベース)は中目黒にあるデリバリー専用のキッチンです。1つのキッチンを区切り、複数の店舗で営業時間などを分けてシェアしています。複数の店舗が同一のキッチンを使用することで人脈の広がりや知識の共有などが行えることも特長の一と言えるでしょう。3つのプランが用意されており、お店の特徴に合わせた使い方が可能です。

まとめ

いかがだったでしょうか。新型コロナウイルスが猛威を振るっている昨今、デリバリー需要の高まりと宅配代行サービスの拡充によって、ゴーストレストランは注目を浴びています。必要な食品衛生責任者資格と飲食店営業許可さえとってしまえば一般的な飲食店より費用を抑えて手軽に開業する事ができ、さらに無店舗ならではのフットワークの軽さやデリバリー特有の売り方など多様なメリットがある業態ですが、それだけに注目するのではなく、ゴーストレストランだからこそ発生するデメリットや注意点もしっかり検討し、経営戦略を立てることが重要だと言えるでしょう。

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