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#37 飲食店を開業する前に揃えておいた方が良い備品

「飲食店を開業しよう」と思っても、事前に何を準備しておいたら良いのかわからないという人も多いはず。という事でここでは、飲食店の開業前に揃えておいた方が良い備品や厨房機器をご紹介します。準備するべきものは業務形態に応じて変わることもあるので、自分のお店の形態をしっかりと考えた上で、必要な備品を揃えていくようにしましょう。

メニューから必要な食器・備品を考える

まず、飲食店を開業するにあたって、様々な備品が必要となってきます。しかし、その中でも、食器や一部の備品は、メニューとその提供方法が決まらなければ、何が必要なのかわかりません。例えば、ハンバーグを提供する事一つをとってみても、ソースをかけた状態で提供するのであれば、平皿が必要です。別の皿にソースを入れて提供して、お客様にかけてもらう場合には、平皿の他に、ソース用の小皿が必要になってきます。このようにどのような料理をどう提供するのか、これが決まらなければ必要な食器や備品といったものは、見えてきません。備品選びの前に、まずは早めにメニューを決めましょう。そして、備品を注文してもすぐ手に入るとは限りません。通販を利用すると届くまで時間がかかり、最悪の場合、オープンまでに間に合わないことも予想されます。余裕を持って行動することをお勧めします。

必要な食器の数・選び方

食器はどれくらい用意すべき?

全ての食器を同じ数揃える必要はありません。食器の数というのは、使用頻度や用途によって変えるべきです。例えばお客様全員にお出しするお冷のコップは、席数の二倍程度用意すべきです。また、メインメニューに使う食器も同様に多く用意すべきでしょう。ラッシュ時に食器が無くて提供できない、という事態は絶対に避けたいので、洗い場に人員を多く配置できない事が予想されるのであればさらに余裕をもって準備してもいいでしょう。それ以外の食器は席数の半分程度を準備の目安としましょう。注文数の少ないメニューに使う特別な食器などはもっと数を少なくしてもかまいません。収納できる量なども考慮して、注文数が多いメニューの食器は多く、注文数の少ないメニューの食器は少なく、最適な種類と量の調整を行う事をお勧めします。

食器を選ぶポイント

コスパ重視の食器を選ぶ

お店のコンセプトを重視するあまり、食器もこだわって選んでしまう事があります。しかし、開業時には特にコスパ重視の食器を選んだほうが良いでしょう。開業時は、スタッフが食器の扱いに慣れておらず、料理の提供が慌ただしくなってしまいがちです。その結果食器を落として割ってしまうという事例が頻発します。食器は消耗品と捉え、破損しても問題がないものを揃える事をお勧めします。従業員が慣れるまでは多少お店のコンセプトとずれていてもリーズナブルなものを中心に選び、徐々にお店のコンセプトに合ったいい食器を揃えていく事をお勧めします。

食器は料理を演出するものだと理解する

食器の色や大きさによって、お客様が受ける印象は大きく変化します。白い器で大衆感や清潔感、黒い器で高級感などを演出する事ができます。他にも、小皿や小鉢を使うか、それとも、大きな皿を使うかといった事でも、お客様の価格に対する満足度や、感じる美味しさに影響が出ます。また、破損してしまった食器を買い替える際に、同じものを買うのではなく、様々な色、大きさ、材質の食器を導入してみる事で、それぞれの効果を試す事ができます。食材の色味などにも合わせて、自店のメニューを最も美味しそうに演出してくれる食器を選ぶようにしましょう。

食器以外に必要な備品

調理器具

包丁、まな板、鍋、フライパンと言った代表的な調理道具の他にもボウル、お玉、フライ返し、しゃもじなど調理に必要な様々なアイテムが必要です。更に調理道具だけでなく、食材を保管しておくタッパーなども、さまざまな大きさのものを多数用意しておく必要があります。調理工程は開業しようと思っている飲食店によって違うので、必要な調理道具をしっかりと選定して用意しましょう。毎日使うものですから、使い勝手の良さを最優先にして選ぶことをお勧めします。自分の目で見て納得いくものを選びましょう。東京ならかっぱ橋道具街、大阪なら千日前道具屋筋商店街が活用できると思います。

ユニフォーム

ユニフォームを作る場合は、お店のコンセプトに合致したものを作る必要があります。しかし、動きやすさや衛生面などを考えて、半袖や七分袖のものが望ましいです。なぜなら、袖を短くすることで、運んでいる最中に、袖に料理が着いてしまうという事故が起こりにくくなるからです。白のユニフォームも、汚れが目立つため、清潔感が重要な飲食店においては、一考する必要があるでしょう。また、髪の毛が料理に混入するといった事故を防ぐ為にも必ず、帽子やバンダナなどで髪の毛を覆うようにしましょう。ユニフォームを作った後の、管理にも気を付ける必要があります。管理をスタッフに任せる場合、こまめに洗う事を徹底する必要がありますし、シャツやベストなど、汚れだけでなくしわが目立つ物をユニフォームとして採用する場合は、店側が一括管理する方が清潔感を保てるでしょう。

食器・備品のリスト

ここで、今まで解説してきたものを含めて開業の際に必要となってくるであろう備品を纏めて紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。

厨房機器関係

板金類「作業台、調理台、シンク、食器保管庫」食材保管用の棚などの設備
冷蔵・冷凍設備「縦型、横型(テーブル型)、製氷機、ショーケースなど」
熱調理設備「五徳、ガスコンロ、オーブン、フライヤー、茹で麺機、電子レンジなど」
調理器具や清掃用具(客席用とは別に準備)、厨房用のゴミ箱

店舗全体の設備

  • 冷暖房設備、防犯設備、音響設備、照明設備
  • テーブルや椅子などの設備
  • 看板などの店頭設備
  • 電話やFAX、コンピュータなどの通信設備
  • ナプキン入れなどの備品

消耗品

  • 用途別の洗剤や除菌用品
  • 箸、箸袋、客席用調味料入れなど、虫よけ用品
  • 使い捨て手袋、ペーパーナプキン、ふきん、エプロン、ユニフォームなどの消耗品
  • 店頭のぼりなどのサイネージ用品
  • 会計用伝票

会計機器

  • レジとロールペーパー
  • クレジットカードリーダー
  • オーダーエントリーシステムとその設備
  • 釣り銭トレーや伝票挟み
  • 小型金庫やコインケース、電卓

業態ごとに選定基準が異なる備品

一口に飲食店と言っても、高級志向の店、バー、大衆的な居酒屋、短時間でお客を回すラーメン屋、カフェ、大衆食堂など、業態によって固定化されたイメージがあります。商品の価格帯や滞在時間、個人客向け、グループ客向け、といった要素によってもお店のイメージは変わります。客席や店頭など、お客様の目に触れる場所に置かれる備品は、店の顔であり、一目見ただけで店の内容を語ってくれる物でなくてはなりません。ただ清潔感があればいいという訳ではなく、前述の業態ごとのコンセプトに沿った統一感が無ければいけません。ここではそんな備品の一例を解説していきます。

テーブルと椅子

来店したお客様と、最も結びつきが強いのがテーブルと椅子です。居心地のいいレストランでは、座り心地のいい椅子や広めのテーブルを置いて、リラックスしてもらえるように、お洒落なカフェでは、あえて席ごとに違うテーブルセットを置いて、センスと遊び心を演出したり、回転の速いラーメン屋などでは、カウンター席を多めに配置し、椅子も狭めの配列にしたりなど、業態によっての選定基準が大幅に異なる備品となっています。しかし、どの業態でも、二人掛けの机を多めに用意し、少数客でも団体客でも、どちらにも対応できるようにテーブルを繋げられるような環境を作っておくと、無駄な空席を作らずにすむでしょう。

照明

店内の雰囲気を大きく左右するのは、明かりの照度と言えるでしょう。明るく、ワイワイとお客様が、活発に会話をするような雰囲気にしたい場合は、500ルクス以上の照明を選びましょう。逆に、カフェやバーなど、落ち着いた大人の雰囲気を演出したい場合は、5〜50ルクス程度に抑えた照明を選ぶとよいでしょう。間接照明などを交えて、更にお洒落な雰囲気を演出することも可能です。しかし、ホールの照度を抑えた場合でも、厨房は食店営業許可の観点から、100ルクス以上の明るさが必要です。また、初期費用は少しかさみますが、その後のランニングコストがかなり安上がりになる点を考えると、LED照明の導入もお勧めです。

壁面

コンセプトに合ったデザインや壁紙にすることは当然ですが、凝り過ぎてしまえば、費用がかさむ部分でもあります。開業当初は、費用を抑えるためにもこだわり過ぎず、素直に、お店のコンセプトが、真っすぐ伝わるものを選ぶことをお勧めします。掃除やメンテナンスのしやすさといった観点からも選ぶことで後々の維持が楽になるでしょう。厨房は掃除が楽な上に衛生面でも優れているステンレス板で統一すると良いでしょう。

音響

音響も、飲食店の雰囲気づくりには欠かせない要素となります。ラーメン屋や、ファーストフード店の様な、回転率を上げたい店、ピークタイムの居酒屋など、活気があり、どんどん注文をしてもらいたい店などは、アップテンポの明るいBGMを選ぶとよいでしょう。リラックスした時間で、おしゃべりを楽しんでほしいカフェや、バーなどでは、他の席の会話を耳に届きづらくさせる、マスキング効果を狙い、ジャズやボサノヴァなどを、BGMにセレクトすると効果的です。高級店の場合は、落ち着いたクラシックなどが主流ですが、メロウな洋楽や、ジャズなども、お店の雰囲気によってはよく馴染みます。自分のお店のコンセプトや、ターゲット層をしっかり把握し、時間帯なども加味した上で最適な音環境を整えるようにしましょう。

気を付けたい備品は?

お店のコンセプトに合った備品選びをするのは基本ですが、それを少し逸脱しても機能面や衛生面において気を付けたい備品について解説します。

スイングドア

お客様へ提供する料理を運ぶ際に、手で持ったまま、普通のドアを開閉すると料理がこぼれたり、食器が落ちたりという安全面での危険だけでなく、多数の従業員が触れるドアノブに触れた手が、料理を持って行くという衛生面での問題もあります。この問題の解消のためには厨房と客席の間に、手で開閉するドアは設置せず、少し店内の景観が崩れるとしても、スイングドアを設置するようにしましょう。またお店のコンセプトを崩さない方法としては暖簾のようなものを使って厨房と店内の区切りをするというやり方もあります。

木製の調理道具

厨房はお客様が口にする料理を作る場所ですので特に衛生面に気を付けなければなりません。木製の調理道具はお洒落で、お店のコンセプトを考えると、候補に入ってくることも多いかと思いますが、カビや雑菌が繁殖しやすいので扱いに注意が必要です。

タブレットやスマートフォンを使ったPOSレジ

飲食店は、特にこれからの時代、料理を作って売るだけでは繁盛店を目指すのは難しいと言えるでしょう。どんなメニューが売れているのか、現在の在庫状況はどうなのか、といったデータの分析を行って、効率的な経営を模索することが繁盛店への道となります。タブレットやスマートフォンを使ったクラウドタイプのPOSレジを導入すれば、オーダーから会計まで一元管理する事ができ、更に、クラウドネットワークを使ったデータ管理や分析業務まで、そのまま行う事ができます。これからの時代の繁盛店を目指すのであれば、ぜひ、導入をお勧めします。

まとめ

いかがだったでしょうか。飲食店の開業の為に必要な備品はたくさんありますが、それらの購入に関しては、メニューから必要な食器を考えたり、業態からお客様の目に触れる部分の備品を選定したり、機能面や安全面から導入すべき備品を考えたりと、様々な角度から検討し、判断していかなければならないようです。しかしそれらすべてはお店のコンセプトと統一感の為であり、しっかりと検討された備品で揃ったお店は隅々まで統一感のある素敵なお店になっている事でしょう。備品にこだわり、あなただけのお店を作り上げてください。

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