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#14 フードトラック開業にはどんな準備が必要?

昨今のコロナ禍でテイクアウトを始める飲食店が増えてきましたが、フードトラック(キッチンカー)への注目も高まっています。一般的な飲食店に比べて開業資金や固定費も少なく、色々な場所を自由に移動しながらお店を運営できるフードトラックは、若い世代を中心に人気の職業の一つです。しかし一見気軽に始められそうなフードトラックでも必要な手続きや手順があり、実店舗とは違う独自の決め事があります。ここではそんな必要な手続きや準備を順を追って細かく解説していきますので、失敗のないフードトラック開業のために参考にしてみてください。

フードトラック(キッチンカー)のメリット3つ

1.開業資金や家賃、人件費を抑えることができる

固定の店舗を開業する際には多額の工事改装費用が必要となる上に、家賃や光熱費などの固定費がかかります。またお店のキャパに応じたスタッフを雇用する人件費も出費も必須になりますが、フードトラックではそれを大幅に抑えることができます。

2.人の動きに応じて様々な環境へ出店できる

営業許可を得ることができれば平日はオフィス街へ、休日は住宅街や商業エリアへ出店といったように、売り上げが見込める場所へ自由に出店することができます。

3.新しい生活様式に適した営業ができる

コロナウイルスの影響で生活様式が変わったことで、所謂「3密」を避けることができるテイクアウトの需要は高まっています。また飲食店がある商業エリアまで外出できない場合などに対しても自由に移動できるのはフードトラックの強みと言えるでしょう。

フードトラックを置く駐車場はある?

フードトラックを購入し、自動車が一台増えることで必要になるのが駐車場の確保です。自家用車を所持しながら追加で購入する場合に限り月極駐車場をみつけて、賃貸契約をしましょう。実店舗でいう家賃がこの駐車場代と言えるでしょう。

出店場所を確保する

路上で無断営業することはできないので、場所を確保できなければ当然商売を始めることはできません。車両の購入や改造より先に考えるべきといってもいい程大切な準備と言えます。出店場所する場所に応じてメリットデメリットがあります。例えば都会か郊外かで考えれば、都会であれば比較的出店できる場所は少なく条件も厳しい反面、人の流れは多く売り上げは見込めます。対して郊外となれば営業できる場所も多く条件のハードルも低くなる半面、人の流れが少なく売り上げは見込めません。居住地から出店場所へ移動するガソリン代も固定費となりますので、売上とのバランスを考え、場合によっては転居も視野に入れながら出店場所を検討していきましょう。

イベント会場等での出店

イベントや、音楽フェス、野外フェスなどは会場内で飲食を済ませる場合がおおいので、出店販売するにはもってこいの場所です。しかし大抵の場合出展料が必須になってきますので、主催側の対応や、見込まれる集客動員数もしっかり確認しながら出店を判断していきましょう。 

ビジネス街でのランチタイム出店

必ず一定の地とが集まるビジネス街ではコンスタントな売り上げが見込めます。ビジネス街で働くサラリーマンやOLは日々の出費や食事など健康に気を付けている人が多いので、比較的安価で、野菜などをたくさん食べられるようなメニューも需要がありそうです。この時道路脇で無断営業をしていると違反対象となってしまうので、ビルや施設の管理者に許可を得て、駐車場など敷地内で出店するなどの対応が必要です。 

スーパー、催事の駐車場で出店

駐車場で出店している焼き鳥屋さんやクレープ屋さんなどはよく目にします。ビジネス街と同様に一定の人の動きがあるので安定した売り上げが見込めます。オススメとしては、夕食のおかずにちょっとしたプラス一品になる商品、例えば唐揚げやたこ焼きなどです。

フードトラックの企画へ出店

フードトラックが集まるイベントや企画がありますで、そのような企画に参加するのも良いでしょう。最近ではこだわりのフードトラックが増えてきているので、各地でそういった企画は増えてきています。

仕込み場所を確保する

地域の保健所によって規定は異なりますが、一般的に仕込み場所の確保も必要になります。保健所の許可がおりた施設で仕込みをしなければならないので、自宅のキッチンでは規定上違反となってしまいます。多い事例として知人の飲食店の厨房を間借りするケースなどが挙げられます。2021年6月の食品衛生法の改正にあたって、200㍑程度の給排水設備を備えたキッチンカーであれば車内での仕込みができるようになったので、車両を検討する際の参考にしてみてください。

食品衛生責任者の資格を取得する

通常の飲食店と同様に、フードトラックを開業する場合でも食品衛生責任者の資格が必要となります。各地域の食品衛生協会に申請し講習を受ければ取得できますので、並行して準備しておくようにしましょう。現状コロナの影響で受講人数を制限しているので、早めに申請をしておくようにしましょう。

詳しい取得方法は関連記事で解説していますので参考にしてください。

フードトラックを入手し、営業許可がとれる車両にする

フードトラック作りをするのにあたり、まず自分がどんな商品を提供していくか再度イメージを固めて確認しておくようにします。それが固まった段階で一度管轄の保健所へ相談にいき、営業許可がもらえるフードトラックの基準を確認しておくようにしましょう。各自治体で基準は異なりますので、販売をしようとしている地域の保健所に行きフードトラックを作る旨を伝えれば、必要な設備を教えてもらいます。それを踏まえてどんな車両がよいか、必要な設備などを明確にしておきましょう。

給排水タンクの容量と調理の規定を確認する

フードトラックでは給排水タンクの容量に応じて作ることができる商品数や調理工程の数が分かれています。下記を参考に事前に確認しておきましょう。 

40㍑程度

  • 暖める揚げる、盛り付けるなど簡単な調理に限る
  • 使い捨ての容器単品に限る 

80㍑程度

  • 2工程まで、簡単な調理に限る
  • 使い捨て容器複数品目が提供可能 

200㍑程度

  • 複数工程の調理
  • 食器の使用可能
  • 複数品目提供可能
  • 車内での仕込みが可能 

上記からわかるように容量が大きければ大きいほど、作業の幅が広がっていきます。その分車両費や改装費用もかかてしまうので、自分の予算や提供したい商品を考えて最適な容量を選びましょう。

車両を決め、いよいよフードトラック作り提供する料理や車両、給排水タンクの大きさをが固まったら、車両を決めてフードトラックを作っていきましょう。改造が前提ですので中古車を選ぶのがいいでしょう。フードトラックを改装するには、業者に依頼するか、自分で改装するかの2通り方法があります。当然自分で改装するのは費用は抑えられますが時間と手間はかかります。費用に余裕がある場合は業者に依頼してクオリティの高いフードトラックを作るのもいいでしょう。いずれの方法ととるにも、保健所で公表している設備基準を満たすように気を付けましょう

営業許可書は定期的に更新する?

一度取得すれば使い続けられる保健衛生責任者の資格とちがって、営業場所許認可書には6年ごとに更新をする義務があります。各都道府県ごとに都度1万円の更新料がかかりますので、全国各地を回りながら販売をするとなると、その分費用もかさんでいくという事になります。移動販売の営業許可は「食品営業自動車」と「食品移動自動車」の2種類がありますので、それぞれの解説をしていきます。

食品営業自動車

できる業態:飲食店、喫茶店、菓子製造

詳細:生ものを扱うことはできない。営業車内での調理加工は、小分け、盛り付け、加熱処理など簡単なものに限る

※この種類がケバブやクレープ屋さんなどにあたります。

食品移動自動車

できる業態A:食料品など販売、乳類販売業、食肉販売業

詳細A:営業車内で取り扱う食品は、あらかじめ包装されたものに限る。営業車内での調理加工は行わない。

 

できる業態B:魚介類販売業

詳細B:営業車内で取り扱う生食用魚介類は、あらかじめ包装されたものに限ること。(丸ものは除く)。営業車内での調理加工は行わない。

※この種類がお弁当屋さんなどの移動販売になります。

車両保険・PL保険に加入する

フードトラックは4ナンバーか1ナンバーなど普通車両で通常の車両保険の契約となります。8ナンバーとなると業務用特殊車両として、それに応じた特殊車両向けの保険に加入しなければなりません。また実店舗でもいえることですが、万が一の食中毒などの事故に備え「PL保険(生産物賠償責任保険)」に加入しておくといいでしょう。

PL保険とは?(PL法製造物責任法)

  • 提供していた食品で食中毒の事故が発生
  • 提供した食品で客に火傷をさせたり、服を汚したりするなどの被害を与えた 

など、提供した食品でお客様に被害を与えた場合に起きた損害賠償を支払う保険です。

フードトラック開業に役立つ補助金や助成金

地域創造的起業補助金

新しく事業を始める事業主を対象に、国や地方公共団体が補助をしてくれる制度。創業資金の2/3を負担してくれるもので金額が大きく返済義務もありません。一定の利益が確認された段階で返済をしなければならない場合もありますので確認しておきましょう。条件として、事業の経費として補助金を使うこと、認定市町村での開業をすること、従業員が最低一名いることなどがあります。

地域創造的起業補助金 HP http://www.cs-kigyou.jp/

ものづくり補助金 

正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業」といいます。サービスやものづくり、設備投資を対象に国から支給される補助金です。返済義務はなく、自己負担を抑えての設備投資ができます。

ものづくり補助事業公式HP https://portal.monodukuri-hojo.jp/ 

地域雇用開発助成金

雇用機会の少ない地域での新規事業開業者に対して厚労省がおこなう助成金です。50~800万円の助成金額で、対象地域での創業、最低2人以上の雇用など申請条件があります。厚労省のホームページや労働局で対象地域が確認できます。

厚生労働HP

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/chiiki_koyou.html

まとめ

ここまでフードトラックを開業するまでの流れをご説明してきましたが、どのステップも欠かすことができない大切なステップです。トラブルを含めた様々な状況を想定して準備をしておくと良いでしょう。フードトラック作りで重要なのはどんな料理を提供するかということ。ターゲットや需要などを考えた上で商品、コンセプトを決めることで、フードトラックの使用や販売なしょなどスムーズに決めることができるでしょう。リサーチや、販売場所の管理者との交渉なども慎重に進めていきましょう。

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