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#29 業務用冷蔵庫「プレハブ冷蔵庫」とは?

飲食店を経営するうえで欠かせない冷蔵庫ですが、業務用冷蔵庫といってもどのような種類があるのか、どれを選べばいいのか悩んでしまうオーナーさんも少なくないかと思われます。
この記事では業務用冷蔵庫と家庭用冷蔵庫の違いから、業務用冷蔵庫のなかでもニーズに合わせた設置が可能な「プレハブ冷蔵庫」について特徴や活用方法、組み立て方まで解説していきます。業務用冷蔵庫の選択肢のひとつとして「プレハブ冷蔵庫」を検討してみませんか?
業務用冷蔵庫の選び方のポイントも押さえて、導入を考えている飲食店オーナーさんの参考になればと思います。

業務用と家庭用冷蔵庫の違いとは?

一番大きな違いと言えるのは容量です。家庭用冷蔵庫は大きなものでも容量は400~700Lほどですが、業務用冷蔵庫となると1000~1600L以上のものもあります。
次に、ドアポケットに関してです。家庭用冷蔵庫には扉の裏側部分に調味料や飲料等を入れられるドアポケットが付いていますが、業務用冷蔵庫には基本的についていません。一般的な家庭に比べると飲食店は扉を開け閉めする頻度が高いため、ドアポケットに食品を収納していると温度変化等によって傷んでしまう可能性があるからです。食材の品質管理が重視される業務用だからこそ省かれている部分になります。しかしながら収納機能としては便利なものになりますので、必要と判断すれば注文時に追加してもらうのもよいでしょう。
また、電源に関しても違いに注意しておきたい点があります。家庭用冷蔵庫は100Vのものがほとんどで一般家庭のコンセントで設置ができます。しかし、業務用冷蔵庫はものによって電源が異なるため、設置する冷蔵庫と店舗のコンセントは対応しているか確認し、場合によっては電源工事が必要になってきます。

業務用・家庭用冷蔵庫それぞれのメリットとデメリット

業務用冷蔵庫のメリット

大量、大型食材の保管ができる

家庭用の冷蔵庫との違いでも説明しましたが業務用冷蔵庫冷蔵庫は大容量であるため、食材を大量に保管することができることが大きなメリットです。また、家庭用の冷蔵庫では取り扱いが難しい大型食材の保管も可能になります。

製品のバリエーションが豊富

サイズや容量、型(たて型・よこ型・プレハブ型など)の多様なバリエーションがあるため、用途や規模に合わせて選択することができカスタマイズすることもできます。

耐久性、強度が高い

耐久性も高く、扉の開け閉めが多くても壊れにくいなど十分な強度をもっています。

温度管理に適している

食材を頻繁に出し入れしても冷蔵庫内の温度が上がりにくく、適温を保ってくれます。基本的な温度帯は下記のとおりです:

温度帯について

「冷蔵」1℃~8℃

「チルド」0℃~-5℃

「冷凍」-15℃~-20℃

プレハブ冷蔵庫の場合すべての機種ではありませんが、一般的に「-5℃~+18℃」の設定ができます。そのためチルドから野菜室としてもご利用いただけます。

業務用冷蔵庫のデメリット

工事の必要

排水ホースから出る水の処理が必要であるため排水工事をしてもらわなければいけなかったり、製品によっては電気工事が必要な場合があります。

運転音がうるさい

家庭用冷蔵庫と比べると運転音が大きいので、気になってしまうかもしれません。

家庭用冷蔵庫のメリット

狭い厨房にも設置可能

厨房が狭くても省スペースで設置が可能です。

便利な機能がついている

調味料や飲料等を収納できるドアポケットや、製氷機能があったりと家庭用ならではの便利機能がついています。

工事の必要がない

家庭用冷蔵庫には霜取り用の蒸発皿があるため、排水工事の必要がありません。また、家庭のコンセントで対応できるので、電気工事も不要です。

本体、電気料金が安価

業務用冷蔵庫に比べて家庭用冷蔵庫は本体価格や電気料金が安いです。購入時の費用や、店舗経営のコストを抑えられます。

家庭用冷蔵庫のデメリット

大量、大型食材の保管ができない

業務用冷蔵庫に比べて容量が少なくなってしまうので、大量の食材や大型の食材を保管することができず、保存できる食材の量が限られてしまいます。

冷却力が低い

業務用冷蔵庫と比べると冷却能力は劣ってしまいます。そのため、大量の食材を保存したり、扉の開け閉めが多い飲食店にとっては食材の品質低下に繋がってしまうかもしれません。

耐久性が低い

業務用冷蔵庫は耐久性、強度ともに高く作られていますが、それに比べると家庭用はどうしても劣ってしまいます。その結果買い替えや修理などが発生してしまうと余計な費用がかかってしまいますね。

業務用冷蔵庫「プレハブ冷蔵庫」とは?

家庭用の冷蔵庫と比較をしながら業務用冷蔵庫について解説してきました。ここからは業務用冷蔵庫のなかでも、「プレハブ冷蔵庫」について説明していきたいと思います。
一般的な冷蔵庫は、断熱材の入った鉄やステンレスのパネルに冷却ユニットを本体に内蔵していますが、プレハブ冷蔵庫とはパネルの箱と冷却ユニットを別々に設置している冷蔵庫になります。冷却ユニットから庫内に冷気を送り冷やしています。いわば家庭用のエアコンのような仕組みと言えます。

冷却ユニットについて

プレハブの場合冷却ユニットは2種類あります

一体型

エアコンで例えると「ウインドエアコン(窓用エアコン)」に似ています、壁に取り付けるタイプもありますが天井置型がスタンダード。

セパレート型

一般的なエアコンと同じで室内機と室外機があり、室内機は基本天吊りになります。


また、プレハブ冷蔵庫はその名前がついているように、スペースに合わせてパネルを組み立てて設置することができます。高さや面積、形状など用途によって自由に組み合わせて作ることが可能です。断熱性にも優れており、しっかり密閉されるので庫内の温度管理も徹底されるため、食材の鮮度を保つことにも優れています。

「プレハブ冷蔵庫」の便利な活用方法

用途・スペースに合わせて設置

プレハブ冷蔵庫のメリットは、用途や設置したいスペースに合わせて組み立てられることです。サイズや形状も自由で、寸法にとらわれることがないので、効率良く設置することができます。また、歩いて出入りする以外にも台車やフォークリフトを使って出入りできるように構築することも可能です。
スペースがあれば大量の食材を保存することも可能なため、飲食店だけではなく食品加工工場等でも導入されています。大容量の業務用冷蔵庫を探しているならば、検討してみるのも良いかもしれません。

ニーズに合わせた温度管理・湿度管理

プレハブ冷蔵庫は冷蔵食品だけでなく、冷凍食品も保管することができます。また、鮮度を保つことがが重要となる生鮮食品も、温度管理や湿度管理をすることで保存することが可能です。
断熱性・密閉性に優れているので、食材に合わせて鮮度を逃すことなく貯蔵できます。

棚を設置して効率よく活用

プレハブ冷蔵庫内に棚を使用することで、大量かつ種類ごとに分けて保管することができます。大容量タイプでは保管したい食材に合わせて仕切りをすることもでき、無駄のないスペースの活用ができます。多品種の食材を取り扱うことができるのなど、棚を使えば店舗のニーズに合わせて貯蔵スペースを有効活用できます。

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「プレハブ冷蔵庫」を組み立てる

設置場所の選定・レベル出し

「墨出し」

プレハブ冷蔵庫の設置を始めていくにあたって、まず最初に「墨出し」という作業を行います。墨出しとは設置する基準線を引く作業になります。どこを基準にしてどのように建てるかをしっかりと考えて作業を行うことが重要なポイントです。

「レベル(水平)出し」

墨出しを行ってプレハブ冷蔵庫を設置する位置を決めたら、次に「レベル(水平)出し」を行います。これは設置場所が水平になっているかを確認する作業です。水平器を使用するか、レーザーレベルをレンタルして計測するとより細かい調整までできます。低くなっているところには、プレハブ冷蔵庫に付いてくるライナー(樹脂製の敷物)を入れます。レベル(水平)出しはプレハブが斜めになってしまわないように確認するための重要な工程といえます。

パネルを組み立てる

床パネルの組み立て

パネルの組み立ての工程に移っていきます。まずは床の部分から行います。冷蔵庫の床パネルには排水管を取り付けるため、取り付ける位置は十分に確認をしておきましょう。

サイドパネルの組み立て

床パネルを組み立てたら、次はサイドパネルです。サイドパネルの上の溝の部分にかすがい(コの字の形をした両端の曲がった大釘)を打ち込み、組み立てます。

天井パネルの組み立て

次に、天井パネルを組み立てます。天井パネルには「フック式」、「コーチボルト式」とがありますが、天井との隙間があまりないのであれば「フック式」で取り付けることになります。フック式には六角レンチが必要で、コーチボルト式には電動ドライバーがあるとより取り付けやすいでしょう。

冷却の設置

冷却ユニット(室内機)を取り付ける

プレハブが組みあがったら、冷却ユニット(室内機)を取り付けていきます。まず天井パネルの墨出しをして、ドリルを使って穴を開け、ボルトをさして取り付けます。

室外機を取り付ける

室外機を取り付けます。必要があれば、クーラーキャッチャー、スライドブロック、縁石、プラロックなどの架台となるものを用意しましょう。

冷媒配管の接続

フレア工具を使って冷媒配管を接続します。仕上げ作業にはコーテープ、あるいはラッキング・スリムダクトなどを使います。

ドレン排水管の接続

ユニットクーラー(室内機)にドレン排水管を接続します。エスロンのりとVP管カッターが必要になります。排水トラップ、またはエアカットバルブを取り付けて、防虫・防臭対策をします。

電気配線の工事

次に、電気を供給するために電気配線工事を行います。リモコン、庫内灯、スイッチ等を取り付けます。取り付けの際にはドリル、圧着ペンチ、圧着端子が必要になります。

仕上げ

ここまでの工程が済んだら仕上げの作業にとりかかります。ドアとドアのラッチハンドルを取り付け、必要があれば棚やエレクターなどを設置しましょう。目地のコーキング、縞板を敷いて完成です。コーキングを打ってからすぐに冷蔵庫を冷やしてしまうと目地割れを起こすかもしれないので、十分時間を置いてから試運転をしましょう。冷凍庫の場合は当日の試運転は行わないほうが良いでしょう。

試運転

プレハブ冷蔵庫が完成したら、最後に試運転を行って問題なく使用できるか確認をしましょう。電源を入れ、温度が設定通りになるか、冷却ファンは回転するか、霜取りができているかなど、様々な確認作業を行います。霜取り後の冷却機の復帰の確認ができれば、全工程終了になります。

お店に合った業務用冷蔵庫を選ぶポイント

容量から選ぶ

業務用冷蔵庫を導入するにあたってまず考えておきたいのは、食材を保存するためにどのくらいの容量が必要かです。業務用冷蔵庫は非常に大きく、厨房のスペースをかなりとってしまいます。必要以上に大きな冷蔵庫を導入してしまうと厨房を圧迫してしまううえに、電気代も余計にかかってしまいます。逆に小さすぎる場合でも、必要な量の食材が保存できず買い出しの回数が増えてしまったり、無理に食材を詰め込むことで電気代がかかってしまう恐れがあります。営業をしていくうえでどのくらいの量の食材を一度に保管できればよいか考えて業務用冷蔵庫を選びましょう。冷蔵、冷凍でそれぞれどのくらいの容量が必要かも重要ですね。

冷蔵庫のタイプから選ぶ

縦型(たてがた)

縦型冷蔵庫は上下にドアがついているタイプの冷蔵庫で、導入されている飲食店も多いかと思われます。縦に2段ドアが並んでいるものや、2段が2列で4ドアあるものなど、様々な種類があり、冷凍機能も備えているものもあります。厨房のスペースが限られていても効率よく食材を保管できます。

コールドテーブル

コールドテーブルは横長タイプの冷蔵庫で、天板スペースを作業台として使用することができます。厨房は狭くて大型の業務用冷蔵庫の導入が厳しい場合は、作業台も兼ねることができ、スペースを有効活用できるのでおすすめです。カフェやバーなど厨房が狭い店舗に向いています。

プレハブ冷蔵庫

「業務用冷蔵庫『プレハブ冷蔵庫』とは」でも説明しましたが、設置スペースに合わせて組み立てることができる冷蔵庫です。間仕切りをして冷蔵・冷凍を分けたり、台車で出入りしたりもできるので、用途に合わせた冷蔵庫を設置できることが大きなメリットです。
大量の食材や、大型の食材を保管する必要があり、なおかつ設置できるスペースがあるならば、プレハブ冷蔵庫を導入するのも良いですね。

コストを考えて選ぶ

業務用冷蔵庫を導入するにあたって、様々なコストについても考えておきたいです。冷蔵庫は24時間電源を切ることなく稼働し続けるので、光熱費の大部分に関わってきます。先にも述べたように、無駄に大きすぎる冷蔵庫を選んでしまうとその分電気代もかかってしまうので気をつけましょう。また、できるだけ省エネができる製品を選ぶことで電気代を節約することに繋がります。初期費用を抑えたい場合は新品ではなく、中古製品を購入するという選択肢もあります。

まとめ

今回の記事では業務用冷蔵庫について、とりわけ「プレハブ冷蔵庫」について詳しく解説してきました。業務用冷蔵庫といっても様々なタイプがあり、プレハブ冷蔵庫のように自店の用途に合わせて組み立て設置をするものもあります。組み立ての工程も説明しましたが、「自分で組み立てるのは厳しいかも…」と思われる場合は業者に依頼するのも可能です。

飲食店を経営するにあたって冷蔵庫は必須となってきますが、選び方を間違えてしまうと厨房のスペースを圧迫してしまったり、無駄なコストがかかってしまいます。自店に適した冷蔵庫を導入することで店舗の運営も効率よく捗ります。業務用冷蔵庫を検討されているオーナーさんは、まずは自店の食材の保管に必要な容量と冷蔵庫を設置できるスペースから考えてみましょう。そうすることで自店に最適な冷蔵庫を選ぶ条件がみえてくるでしょう。もしも、大容量の冷蔵庫を設置するスペースがあり、大量の食材を保管したいというご要望があるなら、プレハブ冷蔵庫を検討してみてはいかがでしょうか?

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